名古屋大学などの研究グループによれば,発達障害のひとつである注意欠如多動症(ADHD)の症状の強さが,子どもの入眠時刻と関係していることを明らかにしたとのことです。
ポイント
- 8~9 歳のお子さんでは、入眠時刻が遅いことで ADHD 症状が強くなる
- 入眠時刻が ADHD 症状にもたらす影響は、ADHD に対する遺伝的なりやすさによって異なる
- 子どもの ADHD 症状を評価するときには、睡眠習慣を丁寧に聞き取ることが必要である
本研究では,ADHDにおける注意欠如,多動・衝動性の強さが日頃の睡眠習慣に影響を受けること,その影響の程度はADHD発症と関連する遺伝子の変化の程度と関連していることが分かりました。そして,ADHDの症状の評価と診断にあたって、睡眠習慣を考慮することが重要であることが示されました。
これにより,子どものADHDの症状を評価するときには,ADHD症状の強さに影響を与える睡眠習慣を丁寧に聞き出すことが大切であり,またADHDと診断されている子どもにおいても,睡眠習慣を適切に評価し,入眠時刻が極端に遅くなっていることでADHDと過剰に診断されていないかどうかを検討するべきであることが示唆されました。