【研究】神経発達障害群(注意欠如・多動症,知的能力障害,自閉スペクトラム症など)の染色体重複による発症の機序を解明

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大阪大学大学院医学系研究科解剖学講座(分子神経科学)の研究グループによると,注意欠如・多動症(AD/HD),知的能力障害,自閉スペクトラム症などの神経発達障害群の原因分子を発見し,染色体重複で発症する神経発達障害のしくみを解明したそうです。

本研究成果のポイント
・神経発達障害群の原因分子を発見し、染色体重複で発症する神経発達障害の機序を解明
・注意欠如・多動症(AD/HD)や知的能力障害、自閉スペクトラム症等は特定の染色体部位の重複が原因と考えられていたが、その詳細なメカニズムは明らかではなかった
・神経発達障害の機序が明らかになり、発見した原因分子をターゲットとした新たな治療法の開発に期待

以前,「【書籍】脳からみた自閉症」の記事で,ダウン症の原因について,21番染色体が他の染色体にくっついてしまい,結果として3本になってしまうという転座型のトリソミー(染色体異常)であることに触れましたが,21番トリソミーのような大きな重複ではないですが,神経発達障害群も同様に16番染色体の16p13.11(つまり16番染色体のごく一部の領域)の重複によって,原因分子マイクロRNA-484(miR-484)がおこることを突き止めたそうです。

昨年あたりからこうした自閉症や神経発達障害に関する病態の解明が各大学で相次いでいるので,いよいよという感じもしてきました。創薬や治療方法の確立に大いに期待したいです。

興味のある方は「研究」タグから過去の記事も参照してみてください。

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