教育再生実行会議(座長:鎌田薫早稲田大総長)は,発達障害のある児童向けの教育の充実などを盛り込んだ第9次提言をまとめました。
発達障害の早期発見・支援のための仕組みの構築,地域における教育・保健・医療・福祉・労働分野等の関係機関の連携強化,特別支援教育についての教師の専門性の向上,学校における支援体制の充実などが主な内容で,乳幼児期から高校まで引き継ぐ「個別カルテ」の義務化についても提言しています。
特別な支援を必要とする子供について、各発達段階を通じ、円滑な情報の共有、引継ぎがなされるよう、国は、乳幼児期から高等学校段階までの各学校等で個別の支援情報に関する資料4(個別カルテ(仮称))を作成し、進級、進学、就労の際に、記載された情報の取扱いについて十分配慮した上で、その内容が適切に引き継がれる仕組みを整える。
これまでも関連する法改正などでも見掛けた内容が多いので大部分は目新しいものではないですが,こういった政策会議の場で定期的に議論されるのはとても良いことだと思います。
ところで,以前「【ニュース】発達障害の子ら向けに教員増=法改正目指す-文科省」の記事で東京都の「障害のある児童・生徒数の将来推計」の図を作成して掲載しましたが,これと同様のグラフの全国版が参考資料にありました。東京都では平成16年から平成32年にかけて知的障害をもつ生徒の数はほぼ倍増という推計でしたが,全国的なデータではさらにスパンが短く平成17年から平成27年の10年間で倍増していました。