今回紹介する書籍は『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(shizu著, 平岩幹男 監修, 講談社)です。
監修者は『自閉症スペクトラム障害――療育と対応を考える』(平岩幹男著, 岩波書店)でも知られる平岩幹男氏です。自閉症研究の第一人者でしょうか。
イラストや漫画も多いので読書が苦手な人でも比較的読みやすいとは思います。因みにこの手の本を何冊か読みましたが,どれもある程度言葉が通じる(多少なりともコミュニケーションを取れる)のを前提で書かれていることが多いです。
例えば,下の写真では「これは?」と訊ねて「あ」と返答しているイラストがあります。残念ながら息子の場合は「これは?」と問いかけても何の反応もありません。
言葉をほとんど理解していない場合はどうしたらよいか,というのは少なくとも私の手元にある本にはほとんど記述がないため,これらを参考にしつつも実際には手探りなことが多いです。
知的障害をもつ息子にとって「これは?」を「これは?」と認識させるのは,なかなか難しいものです。
英語なら昔から幼児向け書籍で定番の「What’s this?」「This is a pen.」といったところですね。
「これは?」に答えたり,あるいはその逆で「これは?」と訊ねることができるようになれば,言葉がどんどん増えていく気はしています。よく「何でもかんでも質問して鬱陶しいくらいだ」なんて話を聞きますが,そうなってくれたらどれだけ嬉しいことか,といった現状です。模索の日々は続きます。
親からの適切な「言葉かけ」で、発達障害の子どもは大きく伸びる!
家庭で楽しみながら行える、ABA(応用行動分析)を利用した「言葉かけ」の方法を具体的にわかりやすく紹介。《毎日の生活のなかで、すぐできる!》
・手を洗うときの言葉かけ
・散歩のときの言葉かけ
・いっしょに料理をするときの言葉かけ
・食事をしながらの言葉かけ
・遊びながらの言葉かけ など《こんなことで悩んでいる人に役立ちます》
1 子どもが目を合わせてくれず、声をかけても反応がなく、どう関わっていいかわからない
……簡単な遊びで心を通わせるコツがわかる
2 言葉が遅れているけれど、どのように話しかけていいかわからない
……日常生活のなかでタイミングよく言葉かけをするコツがわかる
3 一日じゅう子どもを叱っていて、イライラする
……子どもの行動を客観的に分析し、対処するコツがわかる
4 何度同じことを言っても、子どもが言うことをきかない
……子どもに届きやすいように指示を出すコツがわかる
5 子どものどこをほめていいかわからない
……子どもが普通にしているときにほめるコツがわかる〈本書の内容〉
第1章 ABAを利用した言葉かけのすすめ
第2章 ABC分析で子どもに対するイライラを減らそう
第3章 ほめ上手になろう
第4章 遊びを通して親と子のいい関係を築く
第5章 叱るとき、指示を出すときの言葉かけ
第6章 子どもの問題行動への7つの対処法
第7章 子どもを伸ばす日常生活での言葉かけ
第8章 ABAを利用した働きかけを続けるための7つの鍵
第9章 子どもの療育にのぞむあなたに伝えたいこと