【研究】世界初:自閉症と聴覚過敏の併発メカニズムの解明及び自閉症を見分ける新たな診断方法

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三重大学大学院医学系研究科 発生再生医学講座のグループの発表によれば,自閉症に聴覚過敏が併発する原因の一部を解明したそうです。

自閉症に併発した聴覚過敏というのは,以前紹介した「【動画】自閉症児の見る世界」の動画(Can you make it to the end? : YouTube)のようなイメージでしょうか。

世界初の発見:聴覚過敏の原因は聴覚抑制系の異常が原因である
研究グループは従来から自閉症モデル動物を作製し、自閉症の様々な特徴を解明してきた。今回、自閉症モデル動物を用い、脳内にて聴覚過敏の原因と思われる所見を世界で初めて発見した。脳内の音の伝達経路は、「増幅」する経路と「抑制」する経路で組み立てられている。自閉症モデル動物では、音を「抑制」する経路に障害が見られ、これが聴覚過敏を引き起こした原因だと推定した。

脳内の音の伝達経路は「増幅」する経路と「抑制」する経路で組み立てられており,そのうち音の伝達を「抑制」する経路である台形体核の神経細胞の異常が聴覚過敏の原因とのことです。

また,自閉症の新たな診断方法として「(お子様は)音がどこから聞こえてくるかわかっているようですか」と問診することを提案しています。コストはかからないですので,広く医療機関で導入されるとよいですね。

「すぐに導入できる」自閉症の新たな診断方法
自閉症により異常が見られた脳の部分は「音がどの方向から聞こえているか」を判断している箇所でもあった。そのため保護者に対し、「(お子様は)音がどこから聞こえてくるかわかっているようですか」と問診することで、かねてより困難だった自閉症診断をより正確に行なうことができる。特別な医療機器も薬品も不要で、新たな問診項目としてすぐに導入することができる。

ただこの問診内容に自信を持って答えられるかというと,私の場合はそうでもありません。普段の生活から,息子は概ね音がどこから聞こえてくるか分かっているような印象を受けますが,本人から確認が取れるわけではないので確証はありません。音の聞こえ方についても,前述の動画のように,非常に耳障りに聞こえていることもあるのかもしれませんが,言葉の理解や伝達の面が大きな壁となります。

本題とは関係ないですが,三重大学の医学部はだいぶ仕事で関わっていたので何となく親近感があります。残念ながら三重に行ったことはないのですが。

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